さよなら自分

終わったことを書いていきます。

コロナ禍で収益が激減したフリーランスの金稼ぎにナニも言えなくて

コロナでオンライン化の波は一気に進んだ。大きな事務所を解約して全社員をリモートワークにした会社、週2、3はリモートOKな会社など。ミーティングも直ではなくオンラインになり、企業の採用面接も一次はオンラインというケースも珍しくなくなった。

とはいえ、直接会ったほうが良いケースが残っていることも確か。例えば細かい打ち合わせ。小生は語彙力に欠ける面があるので、時折直接の打ち合わせを依頼することもある。

身近なところでは、付き合いの長いWebデザイナーがそうだ。先日も新規案件相談のため、直接会うことになったのだ。そのデザイナーはフリー歴3年目の凄腕さん(女性。以降Kさん)。こちらのアバウトな説明を汲み取り、毎回想定以上の成果物を提供してくれる素晴らしい方だ。会って話してもストレスなく、何かを作る際に真っ先に相談するようにしている。

Kさんは会う度に何かしらのお土産を持ってきてくれるのだが、そのセンスも抜群。流行りのスイーツに何枚持っていても困らない今治タオルと、心遣いまで図抜けている。先日も新しいサイト制作で会うことになったのだが、コロナ前以来なので楽しみにしていた。

久々の再会は・・・

「久しぶりでーす!」
「ご無沙汰しております。」

最後に会ってから久しいが、少し痩せたかな?という印象。最後に会った頃に比べてやや元気がなさそうだ。単刀直入に聞いてみると、どうやらコロナの影響で仕事が激減し、デザイン業務だけでは生活が苦しいようである。フリーあるあるなのか。

付き合いの長い方なので、何かしてあげたいと考え、「知り合いの会社に紹介しようか?」と提案したが「それは結構です」と、即答で断られた。何かのプライドなのだろうか。

「お金には困ってません。」と。ふむふむ。話を聞いてみると、現在は週に3日ほど夜のお店で働いているとのこと。最初は直ぐ辞めるつもりだったが、一度高収入を味わったことで、抜け出す判断が出来なかったこと、デザイン業務が減っているのは事実なので致し方ないとい考えのようだ。ただ、まだ抵抗感もあり、嫌悪感と報酬の魅力の狭間で苦しんでいる模様。

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Photo by Alex Knight on Unsplash

ん〜難しい。

知り合いに夜のお店大好きなオジサンは何人も知っているが、働く知り合いはいなかった。そんな状態で「夜のお店で働くのは止めなよ!」なんて迷惑なアドバイスはし難いし、「え?それどこのお店?今度行くからサービス良くしてよ!」なんて気持ち悪い発言でビジネスパートナーを失うのはもっと避けたい。

話をして気付いたのが、デザイナーの仕事減る⇒夜のお店って、なぜ?という気持ちも出てきた。本業が稼げなくなったことで別の仕事に手を出すのは自然なことだが、他のどんな仕事よりも夜のお店に行く理由って何だろう?

「お金が欲しいんです」

と、シンプルかつ力強い返答が返ってきた。人には人の乳酸菌があるように、人には言いたくないことや知られたくないことの一つや二つは必ずある。僕なんてもっとだ。なのでこれ以上聞くのは野暮だ。

少しの沈黙のあと、黙っている僕にKさんが「実は1年間分の年金未納があって……」と。

ん?1年なら恐らく20万円いくかいかないの金額ではないだろうか。また分からなくなってしまった。約20万円の為に夜のお店?は、少し早すぎないだろうか。デザイナーの仕事が減った分は他の仕事でどうにかできないだろうか?と。あれこれアドバイスしてみたが、Kさんは「お金が欲しいんです」の一点張り。

Kさんの親が現状を知ったらどう思うだろうか?娘の頑張る姿を想像しているに違いないのに、実際はブツという名の筆を操り、シーツというキャンバスに絵描くはカルピスの如し。カラダにピース!どころではない。

久々の再会と仕事の話だったのに、いつの間にか迷惑おじさんになっていたことに気づいた。人は人である。他人の僕がとやかくいうことではない。勿論最後まで変なモヤモヤは残ったけど。

Kさんが帰った後、久々にKさんのインスタを見てみた。そこには友達との旅行、今日のランチ、高級ブランド、新型iPhone、ザギンのシースー。むむむ。もしや金遣い荒いタイプなのか?と思ってしまうほど投稿だらけ。画像を見る限りお金に困っているようには見えない。もしかしたら、"キラキラした自分”をキープしていたいのだろうか。本心はKさんしか分からないが、僕は彼女のことが心配になった。

実はKさんとの打ち合わせ終わり、しれっと働いている夜のお店の情報を聞いておいた。「絶対来ないでくださいね笑」と釘を刺されたが、本当に働いているのか気になる。最近こういうお店行ってないな〜なんて気持ちで言われた店名をググったら直ぐに出てきた。

ふむふむ。なかなか良いお店のようだ。そして「キャスト一覧」ページを少しスクロールすると、確実にKさんだろう人の写真を発見する。口元を隠した写真ではあるが、目が完全にKさんだ。年齢は26歳⇒21歳と5歳若く、スリーサイズは壇蜜と同じ(85 - 60 - 89)表記(実際はデブ寄りのポチャ)。優しい嘘だなと思った。

独身であれば一度お試しで行ったかもしれないが、如何せんお金も時間もない。僕はその夜にその日の御礼と仕事の詳細をメールした。するとKさんから返答で「今週金曜日の19時以降は空きあるのでどうですか?」と営業メールが返送される。こんな経験初めて。

とはいえ、これはギャグだ。ぶっちゃけ話をして気が楽になった僕に対するボケメールだろう。本業と混同させるなんてKさんも面白くなったなぁ〜と。ならばこちらもボケで返そうと考え、「了解!じゃあ、金曜20時に90分コースで!』と元気よく返したが、返答はなかった。仕事のメールでここまでスベったことも始めてである。

結局翌日から普通のメールに戻った。悔しいので今度事前連絡なしで120分コースを予約しようかと思う。仕事頑張ろ。