さよなら自分

終わったことを書いていきます。

あの日つくねは食べられなかったけど、つくねを見せた友人は立派な父親になっていた

小学4年生の頃にクラスメートの広井君宅へお邪魔した時のこと。もう一人の友人岡田君含めた3人でファミコンをしていると、広井君のお母さんが部屋のドアをノックして広井君を呼ぶ。ドアの外に耳を傾けると、広井君のお母さんが「これで焼き鳥でも買ってくれば?」とお金を渡していたようだ。地獄耳の僕はその言葉を聞き逃さず「よっしゃ焼き鳥喰えるぜ!」と心の中でガッツポーズ。

部屋に戻った広井君は得意気に「えー皆さんに良い報告があります」と、当時クラスの担任だった先生のモノマネで千円札を受け取ったこと、皆で焼き鳥を買いに行こうという発表をした。直前のやり取りを聞いていたので僕はやや冷静だったが、岡田君はゲームそっちのけで「マジで!?ありがとう!!」と年頃の少年らしく素直に喜んでいた。

ロード・トゥ・焼き鳥屋

普段、商店街で焼き鳥屋の前を後ろ髪を引かれながら通っていたが、今日は客だ。僕らは広井君の後ろに付き、「あれ食べたい」「これ食べたい」とブツクサとリクエストする。広井君は「何度も言うけど千円以内な笑」と、なぜかお兄ちゃん口調だったのは今考えても腹立つが、あの日あの時にポールポジションに立っていたのは間違いなく広井君。従うほかない。

「いらっしゃい!何にする?」焼き鳥屋のおっちゃんは小さな客人に明るい口調で話しかけてきた。広井君は得意気に「えーと、今日のオススメはなんですかね?」と、常連客のような語り口調でおっちゃんに聞く。おっちゃんは少し考えて「うーん。そうだな〜鶏皮とかどう?柔らかいし美味しいよ!」。広井君は「じゃあ、それ3つと、あとはつくね1本、あー他何か食べたい?」と後ろを振り返りながら完全なリーダー気取り。岡田君が「俺、もも食べたい」と伝えて、僕は「じゃあ、俺ねぎま」と遠慮無くリクエストする。広井君は慌てて「千円までだよ!」と釘を刺す。そうして千円MAX使いきり、僕らは焼き鳥の焼き上がりを待った。

「広井、本当にありがとうな!」僕と岡田君で今日のMVP英雄広井を褒めちぎる。「いいっていいって笑」広井君もまんざらではさそう。

「はーいお待たせ〜」おっちゃんが焼き上がった焼き鳥をまとめて大きな袋を広井君に渡す。僕らは今か今かと固唾を呑んで見守っていたが、広井君が「外じゃなんだから、もう一回ウチくる?」と言う。正直我慢出来なかったものの、焼き鳥食べながら麦茶も飲みてえなと思い、僕は「いいの?そうしよっか!?」と率先して答えた。岡田君も「そうだね!」と満場一致となったので、もう一度僕らは広井君宅へ向かった。

皆早く食べたい一心で自転車のペダルを強く漕ぎ、知らず知らずに誰が一番最初に広井君宅へ到着するかゲームが開始されていく。僕はこの頃から若干冷めていた性格だったので、直ぐに最後尾でゆっくり後から付いて行ったが、二人共立ち漕ぎして譲らない。

ふと、広井君のカゴに入った焼き鳥の行方が気になった。砂利道を走っていたのでカゴが激しく揺れ、その度にカゴに入った焼鳥がジャンプしていた。「落とさないでくれよ」そう祈りながら、僕は二人のレースを見守っていた。しかし・・・事件は曲がり角で起きる。いや、事件ではなく悲劇だ。

広井君は自転車を飛ばし過ぎて注意力が散漫になったのか、砂利道にあった大きな石を見逃し踏んでしまう。そして、バランスを崩した広井君は自転車もろとも横の畑に突っ込んでしまったのだ。

僕も岡田君も「大丈夫か!?」と大きな声で広井君の応答を待つ。ちなみにこの時発した“大丈夫か!?”は、広井君の心配1%:焼鳥無事か?99%の比率であることは10年後に両者一致確認済み。

「っふぇ。。っふぇ。。。」広井君の啜り泣く声が聞こえてきた。見るとカゴから放り出された焼鳥も畑に散乱されている。土が付いてしまった焼鳥は、全て砂肝ならぬ泥肝へ変化し、僕らの食欲も著しく低下させた。膝を擦りむいた広井君が座りながら足を上げると、短パンの横から広井君の未完成つくねがヒョッコリと顔を出している。今ならちょうちんという種類の例えもできるが、当時そんなボキャブラリーがない僕は「広井のつくねは要らんわ」と言うと「うっさい!!」と、泣きじゃくっていた広井君にトドメを刺す。

とりあえず泥だらけの焼鳥を皆で集め、広井宅へ戻る。家に買えるとお母さんが「あああ!?あんたまたこけたの?何やってるのよ!もぉ〜」と広井君を責めた。家を出てから焼鳥を買うまで英雄だった広井君の表情はまるでしそつくねのように青ざめ、ただただこの時が終わるのを待っていた。「だってあんなところに大きな石が。。」「言い訳はいい!二人にちゃんと誤ったの?」とお母さん容赦なし。相場は「いいですって」なんだろうけど、お母さんの迫力があまりにも凄くて援護する隙もなく、いつの間にか僕らも怒られているような気分になった。

「まあ、とりあえず入りな」と言われたが、怖気づいた岡田君が「あっ!そういえばお母さんに買い物頼まれてるんだった!」とテキトーな嘘を付き、僕も合わせるように「今日は帰りますよ!」と続いてしまった。ごめんね広井君。だってあの時あのまま家入っても修羅場やないか。。僕らを見送る広井君の笑顔はぎこちなく、隣で手を振るお母さんの笑顔はレバーのような癖の強さを感じた。

それ以降、焼鳥を食べる度にあの日の広井君を思い出す。今までもそうだし、これからもきっと。

現在

広井君とはそれからもたまに会う関係は維持しており、先日は今年生まれたという赤ちゃんを抱っこさせてもらった。

女の子なんだけど顔は広井君そのもので、僕はふと焼鳥畑ぶちまけ事件を思い出してしまった。いや、この子に罪はない。そもそも20年以上前の記憶を蘇らせることがどうかしている。それでもこの子の頭が、あの日畑で広井君の短パンからはみ出てたアイツ、そう、つくねにどことなく似ていた。あの食べられなかった焼き鳥屋のつくね、短パンからはみ出てたつくね、お母さんに怒られてのしそつくね。。。広井君のつくね物語はこうして後世に語られてイクのだろう。

 

コロナ禍で収益が激減したフリーランスの金稼ぎにナニも言えなくて

コロナでオンライン化の波は一気に進んだ。大きな事務所を解約して全社員をリモートワークにした会社、週2、3はリモートOKな会社など。ミーティングも直ではなくオンラインになり、企業の採用面接も一次はオンラインというケースも珍しくなくなった。

とはいえ、直接会ったほうが良いケースが残っていることも確か。例えば細かい打ち合わせ。小生は語彙力に欠ける面があるので、時折直接の打ち合わせを依頼することもある。

身近なところでは、付き合いの長いWebデザイナーがそうだ。先日も新規案件相談のため、直接会うことになったのだ。そのデザイナーはフリー歴3年目の凄腕さん(女性。以降Kさん)。こちらのアバウトな説明を汲み取り、毎回想定以上の成果物を提供してくれる素晴らしい方だ。会って話してもストレスなく、何かを作る際に真っ先に相談するようにしている。

Kさんは会う度に何かしらのお土産を持ってきてくれるのだが、そのセンスも抜群。流行りのスイーツに何枚持っていても困らない今治タオルと、心遣いまで図抜けている。先日も新しいサイト制作で会うことになったのだが、コロナ前以来なので楽しみにしていた。

久々の再会は・・・

「久しぶりでーす!」
「ご無沙汰しております。」

最後に会ってから久しいが、少し痩せたかな?という印象。最後に会った頃に比べてやや元気がなさそうだ。単刀直入に聞いてみると、どうやらコロナの影響で仕事が激減し、デザイン業務だけでは生活が苦しいようである。フリーあるあるなのか。

付き合いの長い方なので、何かしてあげたいと考え、「知り合いの会社に紹介しようか?」と提案したが「それは結構です」と、即答で断られた。何かのプライドなのだろうか。

「お金には困ってません。」と。ふむふむ。話を聞いてみると、現在は週に3日ほど夜のお店で働いているとのこと。最初は直ぐ辞めるつもりだったが、一度高収入を味わったことで、抜け出す判断が出来なかったこと、デザイン業務が減っているのは事実なので致し方ないとい考えのようだ。ただ、まだ抵抗感もあり、嫌悪感と報酬の魅力の狭間で苦しんでいる模様。

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Photo by Alex Knight on Unsplash

ん〜難しい。

知り合いに夜のお店大好きなオジサンは何人も知っているが、働く知り合いはいなかった。そんな状態で「夜のお店で働くのは止めなよ!」なんて迷惑なアドバイスはし難いし、「え?それどこのお店?今度行くからサービス良くしてよ!」なんて気持ち悪い発言でビジネスパートナーを失うのはもっと避けたい。

話をして気付いたのが、デザイナーの仕事減る⇒夜のお店って、なぜ?という気持ちも出てきた。本業が稼げなくなったことで別の仕事に手を出すのは自然なことだが、他のどんな仕事よりも夜のお店に行く理由って何だろう?

「お金が欲しいんです」

と、シンプルかつ力強い返答が返ってきた。人には人の乳酸菌があるように、人には言いたくないことや知られたくないことの一つや二つは必ずある。僕なんてもっとだ。なのでこれ以上聞くのは野暮だ。

少しの沈黙のあと、黙っている僕にKさんが「実は1年間分の年金未納があって……」と。

ん?1年なら恐らく20万円いくかいかないの金額ではないだろうか。また分からなくなってしまった。約20万円の為に夜のお店?は、少し早すぎないだろうか。デザイナーの仕事が減った分は他の仕事でどうにかできないだろうか?と。あれこれアドバイスしてみたが、Kさんは「お金が欲しいんです」の一点張り。

Kさんの親が現状を知ったらどう思うだろうか?娘の頑張る姿を想像しているに違いないのに、実際はブツという名の筆を操り、シーツというキャンバスに絵描くはカルピスの如し。カラダにピース!どころではない。

久々の再会と仕事の話だったのに、いつの間にか迷惑おじさんになっていたことに気づいた。人は人である。他人の僕がとやかくいうことではない。勿論最後まで変なモヤモヤは残ったけど。

Kさんが帰った後、久々にKさんのインスタを見てみた。そこには友達との旅行、今日のランチ、高級ブランド、新型iPhone、ザギンのシースー。むむむ。もしや金遣い荒いタイプなのか?と思ってしまうほど投稿だらけ。画像を見る限りお金に困っているようには見えない。もしかしたら、"キラキラした自分”をキープしていたいのだろうか。本心はKさんしか分からないが、僕は彼女のことが心配になった。

実はKさんとの打ち合わせ終わり、しれっと働いている夜のお店の情報を聞いておいた。「絶対来ないでくださいね笑」と釘を刺されたが、本当に働いているのか気になる。最近こういうお店行ってないな〜なんて気持ちで言われた店名をググったら直ぐに出てきた。

ふむふむ。なかなか良いお店のようだ。そして「キャスト一覧」ページを少しスクロールすると、確実にKさんだろう人の写真を発見する。口元を隠した写真ではあるが、目が完全にKさんだ。年齢は26歳⇒21歳と5歳若く、スリーサイズは壇蜜と同じ(85 - 60 - 89)表記(実際はデブ寄りのポチャ)。優しい嘘だなと思った。

独身であれば一度お試しで行ったかもしれないが、如何せんお金も時間もない。僕はその夜にその日の御礼と仕事の詳細をメールした。するとKさんから返答で「今週金曜日の19時以降は空きあるのでどうですか?」と営業メールが返送される。こんな経験初めて。

とはいえ、これはギャグだ。ぶっちゃけ話をして気が楽になった僕に対するボケメールだろう。本業と混同させるなんてKさんも面白くなったなぁ〜と。ならばこちらもボケで返そうと考え、「了解!じゃあ、金曜20時に90分コースで!』と元気よく返したが、返答はなかった。仕事のメールでここまでスベったことも始めてである。

結局翌日から普通のメールに戻った。悔しいので今度事前連絡なしで120分コースを予約しようかと思う。仕事頑張ろ。

銀座のパーティーで会ったのは天使か悪魔か?(2/2)

前回の続き。

pseudo-experience.com

20××年2月上旬 :都内某所

指定されたビルの前でもう一度携帯を開いて住所を確認。

 

(間違ってない) 

 

見た目は至って普通の雑居ビル。

それが不気味さを倍増させた。覚悟を決めて扉を開けると、真っ黒なスーツを着た強面な男が2人立っていて、こちらを睨むように見てくる。

 「見ない顔ですね。誰の紹介ですか?」
「あっ、すいません。。」慌てて案内状を提示すると態度が変わる。

「申し訳ございませんでした。初めての方は入場前に荷物をチェックをさせて頂きますのでバッグを開いてください。」。 
「分かりました」 (やはりヤバいとこか?)。

荷物チェックは、バッグの内ポケットなども含めて結構細かくチェックしてくる。「ご協力ありがとうございました。お通りください。」

もう一人の男性に連れられ地下1階へ降り、薄暗い廊下を20m程歩くと大きな扉が現れた。

 

「こちらになります。心ゆくまでお楽しみくださいませ…」

 

ギィ〜・・・。


重いドアを開けるとさっきとは全く異なる光景。綺羅びやかなフロア。ステージ上ではセクシーな衣装に身を包んだお姉様方がダンスをしてお客さんを盛り上げている。

  • 目当てのダンサーにチップを渡す人
  • 『ピィ〜!ピィ〜!ピィ〜!』と口笛を鳴らす人
  • 手拍子をして楽しそうに過ごす人

客層は50〜60代らしき男性がほとんどだが、中には若い女性もいて皆がステージのショーを楽しんでいる。

まるでFNS歌謡祭のよう。ダンスが終わると次は手品のコーナー。これは箸休めのようなイベントで、お客さんは飲み物を取りに行ったり、談笑したりと手品に注目している人は少なかった。

 

ここでは普通が平凡。

 

そしてメインコーナーの時間へ。大きな音楽と共に現れたのはカオリさんと藤田!!!観衆は待ってましたとばかりに大きな拍手。

カオリさんはエスとエムな嬢風ファッションに身を包み、ステージ上をムチでビシビシ叩いて会場を盛り上げる。

 

一方の藤田は大きめのパンツ一丁に、もののけ姫のカオナシ風なお面を被って突っ立っていた。

藤田・・・

お前何やってんだ? 

 

-1か月前-

パーティーが終わってから初めて藤田と会う機会があり、カオリさんとの話を色々と聞かせてくれた。

「とにかくカオリさんは最高」
「カオリさんと一緒にいるだけで幸せ」
「カオリさんにもっと早く会いたかった」

何かあれば「カオリさんが〜」である。ハッピーな奴め。パーティー時の雰囲気、全員に電話番号を渡していたこと、社長秘書という分かりやすい肩書、翌日デートへ行くノリ・・・全てを怪しく感じていたが、考えすぎだったのだろう。

しかし、途中で突っ込まざるを得ない発言をする。

「俺今カオリさんと一緒にステージ立ってるんだけど、マジ面白いよ。今は週末だけだけど合ってる気がする。本業にしようかな?笑」

 

???

ステージ?

カオリさんと一緒?

 

「えっ何やってんの?」

「ん〜ここでは言いたくないから今度見に来る?」

「?てか、変なことしてないよね?」

「ったりめーじゃん笑」

すると藤田は1枚の案内状を渡してくれた。貰ったのは真っ黒なカードで裏にはパーティー名と番号が記載。

「住所はメールするから宜しく!」

「いや、どう考えても怪しいでしょ?」

 

「フフフ」


その場はとりあえず別れたが、良い雰囲気は感じなかった。そしてエスとエムなショーに繋がる。

 

・ ・ ・

藤田とカオリさんの間でどういう約束を交わしたのか分からないが、どう考えても「付き合っている」ようには見えない。ショーは見るに耐えなかったのでフロアの隅へ移動。

外人のウェイターがステージを指差して「面白いのやってんのに見ないの?」と教えてくれるが、手を振って「No〜」と。その後もカオリさんが藤田をイジる度、会場からは歓声が鳴り響く。

 

おおお!!
ハハハッ!

 

完全に異常だがここでは通常。

 

約15分のショータイムが終わると客席からチップが投げられる。それをコソドロのように拾う藤田とそれを後ろから蹴るカオリさん。

 

アッハッハッハ!!

 

狂ってやがる。

 

・ ・ ・

 

ショーが終わり5分もしないうちに藤田がスタッフ専用口から、パンツ一丁のままカオリさんと一緒に挨拶へきた。

「オイッス!」
「どうも〜」

正直カオリさんは眼中ではない。お前だよ藤田。「いや、(エスとエム)じゃん。。」

「うん。思ってた以上に向いてたみたい!どう?」

「ふーん、、、ごめん。コッチの世界は好きじゃないんだよ・・・」

するとカオリさんが口を開き、「良太(藤田)も最初はそう言っててコレだから、試してく?世界が変わるかもよ?」。

 藤田も「次のショーどうよ?」と勧めてくる。「何いってんの?ごめん。ちょっと話にならなそうだから帰らせてもらうわ」と会場の扉を開けて外へ出る。

 

はぁ〜・・・

こうして友人はアブな世界へと。

出口方面に向かって歩いてると、後ろから藤田がパンツ一丁のまま追いかけてきた。

 

「待てよ!」

 

「何?」

 

「お前さ、俺の事引いた目で見てるけど、自分は誇れるの?好きなこと出来てるの?」
とパンツ一丁の青年が説教し始めた。

 

「いや、そうかもしれないけど、それがムチで叩かれる理由にはならないし。。」

 

「そうか、、、もう少し話しの分かる奴かと思ってたけど、残念だわ。。」そう言い残し、藤田は寂しそうに会場へ戻っていった。

 

分かってあげられなくてごめん。

 

しかし、藤田の迷走は意外な形であっさりと終わりを迎える。

 

-ロウソクは-

藤田は1ヶ月も持たずにエスとエムなバーの仕事辞めたようだ。桜の情報がニュースになり始めた頃、久しぶりに藤田からメールが届く。

[あの時は酷いこといってごめん。実はバーやめたんだ。カオリさんとも別れた。]

[え?そうなの?]

[うん。やっぱり俺も無理だった。。。ムチはともかく、ロウソクが耐えられなかった。]

[そこ?笑]

[まあ、いい社会勉強になったと割り切ることした]

[そうか。まあいいや、今度みんなで飯でも行くか]

[そうだね!]

それから数ヶ月後、藤田は地方へ転勤すると疎遠になり、今では全く連絡しなくなった。

 

それでも唯一、クリスマスの時期は藤田を思い出す。

特にケーキ屋さんで店員さんから「ローソクは何本お付けしますか?」と聞かれる時。

 

藤田元気かな〜って。

 

あの時藤田が味わったローソクの熱がどの程度か知る由もないが、藤田をコッチの世界に戻してくれた炎だと思っている。

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それでは良いローソクで良いクリスマスを!

銀座のパーティーで会ったのは天使か悪魔か?(1/2)

「ふーーー」

初めてのお見合いパーティー参加を前に藤田は緊張している様子。必要以上にブレスケアを口に入れ、少し離れた位置からもスーツに振りかけたキツイ香水とブレスケアの匂いがコッチまできた。

「やり過ぎたよ笑」なんて話しながら会場が開くのを待つ。

 

-10分後-

 

ガチャっとドアが開き、係の人が案内を始めるが、人が多いので少し待ってから入場。

会場へ入ると50名以上の人数が集まっているものの、男女比は7:3で良いバランスとはいえない。きっとサクラだって混ざってるだろう。

 

またか……。実はこの手のパーティーで男女比7:3は珍しくない。「大丈夫かコレ?」と焦る藤田。彼はこのパーティーを心待ちにしていたので、男女比を見て危機が出てきたようだ。

僕は「いい人さえいれば比率なんて関係ないよ」とフォローをして開始を待つ。

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【婚活パーティー 〜ファーストコンタクト〜】

女性が壁際の席に腰掛け、男性が内側を時計回りに回りながら3分間のトーク。しかし、今回のような男女比の場合、一人の女性と話した後は1、2回休みとなる。トーク終了後、もう一度話したい女性3名の名前を記載。

-パーティー開始-

会場に入った時はチラッとしか見なかったが、やはり12月23日に婚活パーティーへ来るだけあって、特別綺麗な女性がいる訳ではない。むしろ進行している係の美しさが際立っていた。

最初のコンタクトはバタバタしていて、3分の間に自己紹介と趣味や仕事のことなどを大雑把に話し、3分が終了すると席を隣に変えて3分休憩(隣はトーク)してまた次の女性と話す。

時間がないので仕方がないが、3分だけでは良く分からないし、一人一人の記憶が曖昧になり頭も疲れる。

こういうところで自然に接する藤田が羨ましい。少し離れた位置にいたが、彼は目の前に女性と楽しそうに話している。

 

(やるじゃねえか…)

 

-約30分経過-

 

時計周りで半分ほど回った頃、少し異質な女性の前へ。その女性は熊田曜子似で職業欄には【社長秘書】。少し落ち着いたトーンで話す姿は他の女性と一線を画しており、一言で言えば[魔女]

しかしなんだろうか?少し嘘っぽく感じるのだ。わざわざ【社長秘書】って書くか?住まいも麻布って。。。

トーク終了後、席を移動する前にその女性は一枚のメモを渡してきた。

メモには

[カオリ 090-××××-××××]

名前と電話番号が記載されていた。

 

!?

 

3分の休憩中にカオリさんを見ると、入れ替わりで前の席に座った男性と楽しそうに話していて、終了後にまたメモを渡していた。恐らく僕と同じように名前と電話番号だろう。

 

その後全ての女性と話し終える。気になったのはカオリさんの行動。あれはどういう意味なんだろう?

 

係から『もう一度話してみたい人3名を記載お願いします!』と、事前に貰っていた用紙に女性の番号を書くよう指示を受け、皆がペンを走らせる。藤田を見ると既に決っているようで提出済み。


藤田が急かす。「トイレ行きたいから早く書いてよー」該当者0だったので、係の女性の名前を書いて休憩へ向かう。

THE END

こんなバカな選択をする人もいないが、無理して選んでもうまくいかないので諦めた。

 

(今日はハズレかな?)

 

一方で藤田は楽しそう。
「俺さ、、、さっき綺麗な人から番号貰ったんだよね!」

 

「あっ、19番(カオリさん)の人?あの人他の人にも渡してたよ」

 

「マジ?・・・まあいいや、俺カオリさんいくよ!」

 

タフやねん。
藤田タフやねん。

 

-休憩終了-

 

フーリータイムスタート

 

【婚活パーティー 〜フリータイム〜】

フリータイムのルールは至ってシンプルで誰と話してもよい。また、会場へ戻る際、係から[☓☓番、◯◯番、△△番]と記載されたメモ用紙を貰い、これは何番の人から「もう一度話したい」ときてますよと知らせてくれるメモ。

これにより、ファーストインプレッションで両思いという可能性もあるので、マッチングが容易になる。

 

渡されたメモ用紙を見ると、幾つか番号が書いてあったが、書いてくれた人に興味なかったのでスルーした。気になっていた係からはもメモを貰い、見てみると「また来てね♡」とキャバクラ同様の交わし方。やはりこの手の誘いは慣れているのだろう。

もうこのパーティーに用はない。端で用意された料理を食べながら観戦モードへ。

参加者としては疲れるが観客として見ると面白く、誰が誰を狙っているのかよく分かる。

 

藤田は?

彼は宣言通りにカオリさんへアタックを仕掛けていた。熊田曜子似だけあって、他の男性も集まっていたが、藤田の粘り腰の前に次々と離れていく男性陣。

 

さすが藤田。にしても二人とも楽しそう。

 

数分後、藤田が食事と飲み物を取りに来た。

 

「(小声で)いけそう!」


その後は藤田とカオリさんは窓際の席に移動し、フリータイム終了まで楽しそうに話していた。

 

-フリータイム終了-

最後に気に入った一名の番号を記載して提出。
マッチングしたらカップル成立となる。

 

約10分の集計が終わり、いよいよ結果発表。

「男性24番さんと、、、、、、女性27番さんカップル成立でーす!!」

パチパチパチ。

こんな感じでカップル成立が発表がされる。

男女比が悪い割に今回はカップリングが多いと係の人も驚いてた。

 

そして遂に藤田の番号が呼ばれる。

「男性38番さん(藤田)と、、、、、、、女性19番さん(カオリさん)!カップル成立でーす!!」

パチパチパチ!!

 

だろうね。 

こうして無事に藤田はカオリさんとマッチングしてパーティーは終了した。 終了後、先に会場の外へ出ていると、藤田とカオリさんが一緒に外へ出てくる。

「あっ、先程はどーも」とカオリさん。

 

「飲みにでも行くの?」 

「いや、今日は時間も時間だしまた今度ってなった」 

 

「ではまた今度!」

カオリさんと別れて二人で銀座駅へ向かう。

 

パーティー前と違って妙に誇らしげな藤田が若干腹立つ。

 

-電車の中-

「実はさ、明日ディズニーシー行くことになったんだわ」

「えっ!?展開早過ぎない?」

 「向こうが行きたいって言うから仕方ねーじゃん笑」
と勝者の笑み。

 

少し怪しい気もしたがそうでもないのかな?「とりあえず慎重にね」と伝えて藤田と別れる。

 

時計を見ると日付が変わる直前。
あと数分で12月24日…

 

-12月24日夜-

日付が変わる頃、藤田からメールが届く。

[人混みが凄かったけど楽しかったよ〜(^_^)v]

[おっ!良かったね!いい感じになりそう?]

[まだ分からねーけど、、、最後にキスした\(^o^)/]

いやいや、早過ぎるわ…今なら「出会って4秒で合体か!」って突っ込みもできるけど、当時はそれに相応しい言葉が見つからなかった。しかし、嬉しそうなのは充分伝わってきた。なにより藤田が絵文字を使ってメールを送るという行為だけで十分に伝わる。

もう「カオリさん大丈夫かな?」とか、余計な推測は止めよう。

藤田も大人。

 

しかし二ヶ月後、、、

あの時全力で止めておけばという事件が起きる。

 

長くなってしまうので、次回へ続く。

 

1袋129kcalのヘルシースナック「罪なきとんかつ」と81kcalの肉厚半生ジャーキー「あぁ牛タン」を食べたら喉が渇いた

存在は知っていたものの、なかなか見つけることが出来なかった「罪なきとんかつ」をようやく発見した。お腹が空いている訳ではなかったものの、一度食べてみたい願望に負けて購入してしまった。

この商品のポイントは、そのネーミングではないかと思う。「罪」と「とんかつ」。あんまりカロリーを摂取したくないけど食べたい!そんな方には嬉しいネーミングである。無論筆者もその一人。若い頃に比べて太りやすくなっているため、低カロリーなお菓子は素直に嬉しい。ダイエットをしたことで、脂っこい食べ物への興味は薄れてきたが、食べたい欲までは落ちてなく、むしろ口の寂しさは増してばかりだ。

そして「罪なきとんかつ」がこれ。

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「低カロリー&タンパク質が取れる」という意味は何となくでしか分かってないが、それぐらいでいい。早速封を切る。中身はこんな感じ。

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断っておくが、これは幾つか食べたわけではなく開けた直後だ。うん、少なっ!!!工場の人途中で誰か食べた?という少なさである。これが129kcalというカラクリではないかと思ったが、、、まあよいだろう。1個取り出してみた。

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全くと言っていいほど、"とんかつ”感を感じることはないが、味はどうだろうか。パクリ。うん、和幸を感じることはないものの、癖になる食感と味は良い。噛めば噛むほど癖になり次から次へと口に入れた結果、1分程で完食してしまった。数が少ないので罪はなく、見た目以上に再現性の高いクオリティは湖池屋の技術故か。とんかつの味とスナック菓子の見事なバランスで一度食べたら止まらなくなる。また、最初は内容量の少なさを懸念したが、小腹が空いた時の量としても良いのだろう。大満足だ。

 

 

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・・・

 

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・・・・・・・

 

当然直ぐにお腹が空くだろうと考え、もう一つ似たような商品を買っておいた。それが、クラシエフーズから出ている『あぁ牛タン』。

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ああ牛タン。「ああ」という言葉をベッド以外で使うには若干の恥ずかしさとためらいがあるものの、僕らの人生は常に恥ずかしさと隣り合わせ。ならば牛タンでも「ああ」と言っていきたい。

こちらは「罪なきとんかつ」よりもカロリーはさらに低い81kcal。加えてタンパク質や食物繊維も入っているので、栄養面でも文句なし。早速取り出してみる。

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焼き肉の網の端で取られるのを忘れた肉のようなビジュアルである。こちらも「罪なきとんかつ」同様「牛タン」のらしさを感じることはない。が、大事なのは味。早速1個食べてみた。うん、これは牛タン風ジャーキーである。もう1個取り出してビジュアルを見てみた。

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ジャーキーだ。味に関しては食べごたえもあり、口の中でタン風の味が充満する。思わず『ああ牛タン……』というセリフが出てしまった。ただ、この『ああ』の意味は2つあり、一つはメーカーの狙い通りに『ああ牛タンだ!美味しい!』で、もう1つは『ああ本物の牛タンが食べたい……』という小さな嘆き。「ああ牛タン」は美味しいし、小腹空いた際の調整役としての役割は果たしている。ただ、どうしても本物が頭をよぎってしまったことは否めない。あと喉が渇く。結局その後MONSTERをがぶ飲みし、想定外のカロリー摂取をした結果、若干ながらリバウンドしてしまった。

 

『あゝ』

ラブホのライター以上に危険なライターなんてきっとない

ここ数年で喫煙者の肩身は極端に狭くなった。駅のホームやコンビニ入り口横などからも灰皿が消えている(まだ置いてるコンビニもあるけど)。久しぶりに会う友人らも見ないうちに禁煙者へ。マッチングアプリを覗いても「喫煙者はごめんなさい」という注意文を記載してる人も多くなり、喫煙者=害という構図は覆せなくなっている。

僕は相変わらず吸っているが、数年前に紙から電子に変えた。外出時の必須の持ち物でもなく、外で喫煙所を探すようなことはしていない。購入する機会も、紙だった頃の2日に一度から、4日に一度のペースに落ちた。もう止めてもいい気もするが、時折訪れる"口が寂しい”という衝動に駆られて止めるチャンスを逃し続けている。

 

会社の喫煙所(ベランダ)に幾つかライターが置いてある。そのライターは、社内共有ライターとして喫煙者がテキトーに使い、テキトーに戻しているライターだ。小生は電子なのでライターに関心ないものの、その中の一つにラブホのライターを見つけ、15年前の悲劇を思い出した。

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Photo by Kinga Lopatin on Unsplash

ラブホのライター以上に危険なライターなんてきっとない

15年前、僕はライターを無くしてばかりいた。飲み会、飲食店は勿論、会社や喫煙所などで『あれ?ライターない!?』と、ライターを見失い、その度周囲に借りてばかり。

飲みの席では、テーブルにライターが雑に置かれていることもあり、酔った勢いで持ち帰ることも。女性のお持ち帰りこそ出来なかったが、ライターのお持ち帰り数はなかなかの数だ。そのため、当時の家には所有者の分らない百円ライタ ーが山ほどあった。本来なら借りた者に返すのがマナーだが、誰のものか分からないので返すに返せない。

ある日のこと、当時付き合っていた彼女が部屋を訪れ、僕のライター山から一つのライターをピックアップした。そのライターに印字されていたのは「ホテル○○」という、地元駅前にあるラブホテルのライターだ。そこは地元で知らない人はいないラブホである。

そのライターを見て彼女が「これどういうこと?」と、言ってきた。何も隠すことがないので、「こないだの飲み会で誰かのライターを借りてそのまま持って帰ってきたみたい」と、ありのままの事実を述べる。しかし、彼女は引き下がらない。「わざわざこんなライター持って帰るなんてあり得ない。」「いや、記憶が曖昧なんだし、ホテル◯◯には行ってないし、行く相手もいないよ。」と、話は平行線を辿る。

「じゃあ、携帯見せて」と、切り込んできたが、隠すことがないので素直に出した。が、これは失敗に終わる。浮気はしていない。それは事実。ただ、無茶苦茶グラビア画像を探していた痕跡がバレてしまったのだ。熊田陽子、井上和香、吉岡美穂、小野真弓、磯山さやか、山本梓(アズアズ)。それらの画像が携帯のフォルダ内にわんさか保存されているのがバレてしまう。彼女は華奢な体だったため、グラビアアイドルに劣等感に近い何かを抱えていたこともあり、「やっぱりこういうのが好きなんじゃない!!」と、怒鳴られた。

僕にできたことは「いや、これは友達が送ってきたんだよ」という苦しい言い訳のみ。いや、待て。おかしい。なんだこの違和感は?

数日前の飲み会で誰かのライターを持って帰る
┗そのライターが地元では有名なラブホのライター
┗彼女にバレて浮気を疑われる
┗弁明
┗携帯を見せるよう詰められる
┗素直に携帯を提出
┗グラビアアイドルの画像をわんさあ保存していることがバレる
┗彼女激昂

と、怒られるポイントがそもそも違うのだ。僕はそのおかしな状況に笑ってしまったが、彼女の怒りは収まらない。結局その日はそのまま怒って帰ってしまった。ん〜何か嫌なことでもあったのだろうか?いずれにせよ話にならない。今日は何を話しても無駄だな。そう考え、数日静観することにした。

 

数日後、彼女からメールが届いた。そこには「こないだの話の続きがしたい」とシンプルな一文が。今までハートマークやニコニコマークの絵文字を駆使して少々見づらいメールだったが、あまりにシンプルな文面を前にすると、装飾されたメールの時は幸せだったなと思う。僕は「了解!じゃあ、今日の夜ウチ来る?」と返答すると、彼女からは「了解」とだけのシンプルな返信が届く。

まだ怒ってるんだな。会いたかったけど、彼女のメールを見て早く会いたいとは思えなかった。そこで夕方ぐらいに「ごめん!少し残業で残るから先にウチ入って待ってて!」とメールする。そして、会社近くの漫画喫茶で小一時間程時間を潰した。

1時間後に家に帰ると、玄関がキレイになっていることに気付く。履いてない靴は靴箱へ、靴箱上のペンやら印鑑や鍵類も整理整頓されていた。そうかそうか。彼女は自身の早とちりを反省し、部屋を片付けることで「疑って怒ってごめんね」を伝えたかったのだろうと考えた。

部屋のドアを開けて「遅くなってごめんね!」と伝えると、ソファーに彼女が座っていた。ニトリで彼女が「コレいいじゃん!」と言って購入したソファだ。お、値段以上ニトリのソファである。彼女は一言「おかえりなさい」と。いつもと少し様子が違うと思ったら、物凄いメイクが濃く、洋服もいつものカジュアルさはなく、軽いパーティーに参加しても違和感ないドレッシーなものである。

ん?全く状況が理解できないでいると「ちょっと座って」と。言われるまま座ると「こないだは色々言ってごめんね。」「いや、もういいよ」と大人の対応を見せ「今日は随分派手だね」と、いつものやり取りに戻そうとしたが、彼女は突然「別れてください」と、信じ難い発言をする。「え?なんで?」と確認すると「こないだのライターはともかく、私は◯◯(僕のあだ名)のことが信じられない自分が嫌になっちゃったの」と。

ん?まだピンとこない。僕は冷静に「疑うのは仕方ないし、今後は俺も気をつけるよ。ただ、それと別れるって違くない?」と確認してみたが、彼女は黙ってばかり。黙っている彼女に「別れたいの?」と聞くと、何も言わずに頷いた……。

どこでズレが生じたのかはよく分かってない。ラブホのライターだって完全にシロだし、浮気経験もなく、(自分で言うのもおこがましいが)彼女には優しくしてきたつもりだ。それでも彼女は別れたいという。別れたいと考えている人を無理くり繋ぎ止めたところで先がないと思うようになり、しばらくして「分かったよ……」と返答する。

勿論納得はしていない。でも、僕はこの気まずい雰囲気に耐えられる程のメンタルを持ち合わせてなかった。こうして彼女との関係は呆気なく終焉を迎えることに。彼女が帰った部屋を見渡すと、彼女の荷物はキレイになくなっていた。写真も剥がされ(それはこっちがやることだろ)、歯ブラシは一つに。彼女は今日別れるということを決めていたのだろう。

一つ気になることがあった。彼女はなぜバッチリメイクとドレッシーな格好で僕を迎えたのか?それは「最後の姿はキレイでありたい」と考えての判断らしい。ん〜……最後まで良く分からなかった。付き合って2年。分かっているつもりでいたが、全然彼女のことを分かっていなかったのだ。

別れた理由の

私は◯◯(僕のあだ名)のことが信じられない自分が嫌になっちゃったの

含めて随分と自分本位な人だったらしい。気づかなかったのか、気づこうとしなかったのか……。

彼女と別れて以降、一切他人のライターを持ち帰らなくなった。禁煙は無理として、借りたライタ ーはその場できちんと返す。そんな当たり前のことを、失恋を通じて身につけることができるのだから人生は分からない。

1年後

問題の発端となった例のラブホがリニューアルしていた。外観はくすんだ青から真っ白になり、一見高級ホテルである。入り口も以前の気恥ずかしい入り口ではなく、堂々入っても「あ、自分ビジネス利用です」な雰囲気を装うことも可能だ。

「凄いなぁ〜」と入り口付近からホテルを眺めていたら、1組のカップルが出てきた。男はLDHにいそうな色黒の大柄な男で、女は華奢な、、、というか元カノだった。元カノは僕と目があい、直ぐに視線を外す。

別れてから1年後、別れの発端になったライターに印字されていたラブホを元カノが利用していた。ゴツい男と。新しい恋を始めるのは自由だし、ラブホへ行くのも自由。そこをとやかく言う権利がないことは分かっている。でも、どうも釈然としない。

「あ、ここのラブホ行くんだ」と。間違いなく元カノもライターのことを思い出したはずだ。そして部屋の中にあるライターを見たことだろう。懐かしいなんて思っただろうか。もしくは、ライターを見て僕への怒りが再燃したのだろうか。その答えを知る由もない。ただ、ラブホから出てきた彼女の笑顔から察するに、部屋の中で相当熱い火がついただろうことは容易に想像できた。そんな想像してニヤニヤするのだからフラれて当然だなと思う。

ライターは危険な物だ。子供が不用意に使えないよう親御さんは取り扱いに注意して頂きたい。最近のは相当な力を加えないと火がつかないものもあるが、一番は目の届かない場所に置いておくこと。それでも油断はできない。そしてライターを数本を保有している人は、そのライターが他の人に見られても良いものか今一度確認することを推奨する。

もし、その中にラブホのライターがあれば注意だ。彼女なしの自己スリスリボーイは構わないが、彼女や奥さんがいる人は、そのライターで疑惑も破綻もある可能性があることを肝に銘じて頂きたい。

ラブホのライター以上に危険なライターなんてきっとない。

Twitterで最近見かける「これはガチ」「これは結構マジ」のまとめ

Twitterを徘徊していて最近気づいたのが、「これはガチ」「これは結構マジ」で始まるツイート。最初は『ほうほう』という感想だったのだが、次第に多くないか?ということに気付いた。

中には『なるほど!』というツイートもあったので、備忘録としてまとめさせて頂くことにする。もしかしたら、仕事で役立つようなことがあるかも……。

Twitterで最近見かける「これはガチ」「これは結構マジ」のまとめ

「これはガチ」編

何か引っ掛けると思ったら、当方「ガチ」という言葉があまり好きではないようだ。ただ、好きではない言葉で説得力あることを言われると、思いの外心に響くようである。

確かに!と思う反面、知っとるがなということだけど。

 

変化球的な「結構ガチ」。ツイート内容は『ふむふむ』だが、最初の「結構ガチ」が表現として気になる。

 

こちらも最近見かけるタイプの「固定ツイート」を見てほしい方のツイート。「プロフに」というパターンもある。本当にこれで人生が激変するのだろうか??

 

「結構ガチ」と「プロフどうぞ」の合わせ技。『吸収力が魔人ブウ』としているところが面白いのかスベっているのか。

 

なるほど。7〜10個の普通のこともリスト化することで、気付きを得られるのか……。

 

大量の寝汗もガチを入れることで勢いが出てくる不思議さ。

 

これはガチでいいね!と思ってしまった。

 

めちゃくちゃいい事言ってる気もするし、浅はかな気もするし……。惰性で仕事してても自分のこと好きな人は多いよ。

 

ガチとマジのあわせ技。

これはガチの感想

非常に失礼かもしれないが、あまり伝わってこなかった。ただ、RTやいいねが多いので、それなりに共感と拡散もされていることだろう。

「これは結構マジ」編

続いては「これは結構マジ」編。こちらも多く見かける。これは結構マジ。

これは何となく分かる気がする。

 

採用担当になったり、来社対応していたりする人は納得の「これはマジ」。僕もそう思うマン。

 

ん〜これはよく分からん(笑)。

 

そうなの?モタモタしてると後ろでレジ待ちの人からの好感度は低そうだ。うん。

 

まあ、そうだよねぇ。

 

なるほど。昔から言われてることではあるけど、気付きを与えてくれるタイプですね。

 

うん。知ってる。

 

遊びで疲れ解消&エネルギーチャージできる人は最強。

 

なるほど。他人を優先したことがあまりないから、小生はメンタル崩れないのか・・・と考えると納得。

 

どこかで見たような気付き。

 

そうなの?ペアーズやりたかったわ……。

 

知ってるぜ。

 

これは結構マジでガチ。

 

既にまとめられてた。

 

これは面白い情報。

 

イミフ。

 

Twitter研究してる人の多さ。関係ないけど、「あと◯◯人で◯◯◯人に到達します!どうか宜しくお願いします!!」というツイートもよく見かけるけど、あれって意味あるのかね??

 

だね。僕はそれを動物から教わったよ。

 

「プロフにどうぞ」ではなく、「遊びに来てくれたら」というモテ男なセリフが良い。

 

本当そう思う。

これは結構マジの感想

ガチよりは有益というか、『だよね〜』と思える情報を見つけることができた。中には当たり前のツイートを長文化させることで雰囲気重視の人もいた。

まとめ

「これはガチ」よりも「これは結構マジ」のほうが若干有意義な情報を発信しているということが分かった。「これはガチ」勢は如何せん、自身のプロフィールに飛んでくれ!系が多い。

これは結構マジは短いツイートで共感させている人も多く、やはり長さよりも何を発信するかだなと思った。長さよりもね。これは結構マジ。

オンラインミーティングで大恥をかいてしまった

コロナの影響でオンライン化が加速したことは、多くの人が感じていることだろう。

  • オンライン会議
  • オンライン面接
  • オンライン説明会
  • オンラインセミナー
  • オンラインコンサート
  • オンラインファンミーティング
  • オンライン飲み会
  • オンライン診断
  • オンラインキャバクラ

あまりにも「オンライン◯◯」が定番になり過ぎて、当然になったことで事件が起きた。その事件とはタイトルにある通りの失態なのだが、完全に油断したことで生まれた恥ずかしいミスである。

オンラインミーティングで大恥をかいてしまった

それは大きな打ち合わせではないものの、業務上外せない確認事項のミーティングで起きた。具体的にはサイト制作の進捗打ち合わせ。先方の担当との打ち合わせ時、途中で言葉だけでは意図が伝わらない点が見つかったので、『一度画面共有させていただきますね』と伝え、自身のPC画面を映し出す。

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Photo by LinkedIn Sales Solutions on Unsplash

画面にはブラウザ、メモ帳、officeソフトと何も問題ないことは事前に想定済み。不明点だった箇所をブラウザで表示させ、直接見てもらい一件落着となった。オンラインは非常に便利である。

その後、参加が遅れている取引先のもう一名の参加待ちとなった。僕と取引先の二人は遅れる人が到着するまで『休日は何されてるんですか〜?』『今年はなんだかんだで会社での飲み会ないんですよね』『大谷君凄いね』などの他愛もない雑談をしていた。そんな話を10分程続けたのち、取引先の人が『一度席外しますね〜』と、音声をミュートにして席を離れる。

僕は特にすることもないので、待っている間にFANZAを開いた。仕事でバタバタしていて全然新作をチェックできてなかったし、セール中の作品も確認しておきたい。仕事中にすることではなくない?なんて野暮な質問は控えてくれ。

何作品確認していると、参加が遅れていた取引先の一名が入ってきた。そして開口一番

『好きですね〜笑』。

(一体何のこ・)ぐらいのタイミングで、画面共有を切っていないことに気付いた。気付いてしまった。まだ数回しかやり取りしていない取引先の方に、自身のFANZA購入一覧画面を見られるという大失態をおかしてしまった。

穴があったらブチ込み入りたいとはこのこと以外何があるのだろう?恥ずかしい恥ずかしい。当方はシリーズモノを気に入ると、連続で購入してしまう癖があり、それがバレたのが何より恥ずかしい。しかも結構シビアな会議時に……。担当者は笑ってくれたが、会社内でクソボロに言われていることだろう。逆なら笑いの種にしてるだろうし。

元東京都知事の猪瀬直樹氏が、Xvideosのブックマーク画面が話題に上がった時、『脇甘え〜www』なんて小バカにしていたが、もう猪瀬氏の件について笑うことは出来なくなってしまった。

不幸中の幸いは、見られた相手が同じ年齢ぐらいの中年だったこと。若者や女性に見られていたら完全に終わっていたことだろう。実際に被害としては私の呼び名が「ファンザさん」に変わった程度で、実生活に支障はない。

人生何があるのか分からないので、今後はより注意していこうと思う。そして再びFANZAでプレステージ作品を扱う日が訪れますように。